本店 西出広平

 高校生までずっとサッカー少年だった私が、山の世界に入るきっかけになったのは、大学入学を機に入った山岳部でした。最初の夏合宿で、2週間かけての南アルプス全山縦走(甲斐駒ケ岳〜光岳〜寸又峡)を経験してから、その魅力にはまってしまって、それから在学中の4年間は年間100日以上を山で過ごし、現在も足繁く山に登り続けています。今、こうして山に関わる職場で働かせて頂いているのは、そのきっかけのおかげですね。

私の山について

 テント場でくつろいだり、沢筋で焚き火をしたり、夜は星空を眺めたり、自然の中に身をおいてリラックスした時間を過ごすことが好きで、大学卒業後も中国やネパールへ遠征に行ったり、クライミング、沢登り、トレイルランニングなど様々なスタイルで山というフィールドを楽しんでいます。天候によってつらい状況に遭ったりもしますが、そういったシチュエーションも経験値という糧になるので、いつも楽しむよう心がけています。実際、山での経験は、次の新しいチャレンジに活かせるということを実感しています。
 学生時代から今に至るまで、最も力を入れているのは冬期のクライミングなのですが、そこには、身体能力・技術力・精神力・生活力といった全ての要素が詰まっています。例えば冬期に1週間山で過ごすためには、全ての局面で「自分の面倒を自分で見る」ということが必要なのですが、冬期登攀はそうした総合的な経験力を培うのには最高の場なんです。

大切にしていること

 自分で経験して得た道具の使用感・特徴といった部分を店頭で実際にお客様にご案内させて頂くことにやりがいを感じますし、同時に経験した全てを仕事に活かせるというのはとても有難い事だと思っています。また、登山用品専門店で働くということは、皆さんに山の魅力をお伝えすることでもあるので、今まで自分を育ててくれた先輩・仲間たちへの恩返しに少しは繋がっているのかな、と思います。
 折角山の道具をお求め頂くのであれば、その道具が最も活きる使い方をして頂きたいので、お客様の目的に応じた柔軟なご提案をすることを心がけています。山に入る人は、多かれ少なかれ、ヒヤッとするような場面に遭うことがあると思います。危険と安全の見極めは山では特に大切な要素ですが、その境を分けるのは、体力・技術・経験値などに加えて、道具をどれだけ知っているかも重要なポイントだと思うんです。
 カモシカスポーツの魅力は、「山の道具をちゃんとわかっている人がそこにいる」こと、それは単に道具の説明をするのではなくて、経験も含めてご案内出来るプロがそこにいるという事です。特に本店は、登攀具の品揃えに力を入れていますし、長い歴史のお店なので昔から通っていただいているお客様も沢山いらっしゃいます。そうした品揃えと経験に基づく接客がお客様に信頼を頂いている部分でもありますので、しっかりお応えできるよう、これからも「山に入って道具を使ってお客様にご紹介する」ということをシンプルに続けて行きます。

西出広平(にしで こうへい)

1989年東京都生まれ。東京農業大学農友会山岳部OB。学生時代は年間100日以上を山で過ごす。卒業後は、冬期登攀、海外遠征を中心に精力的に活動。2012年にカモシカスポーツにアルバイトとして入社、2017年に社員となる。入社以来、登攀具を担当している。