クロスオーバードーム第2世代 2nd Generation 全モデルレビュー
2015年に登場し、「超軽量シェルター」という新たなジャンルを切り開いたクロスオーバードームが、2020年に「第2世代-2ndジェネレーション」へ進化しました。
今回は株式会社ヘリテイジより、できたてホヤホヤのサンプルをお借りすることができましたので、早速、試し張りレビューを行わせていただきます。
本体について
まずは、収納サイズから。
第2世代になっても収納サイズに変化はありません。
相変わらずの超コンパクトサイズにより、ザックのサイズダウンに大きな力を発揮します。
設営時の大きさにも変更はありません。
重量は、それぞれ第1世代に対して、
・クロスオーバードームf 540g – 約60gの軽量化
・クロスオーバードーム(1人用)630g – 約70gの軽量化
・クロスオーバードーム2(2人用)690g –約80gの軽量化
という、さらなる軽量化を実現しました。
1人用と2人用に関して言えば、重量こそ60g違えども、そのパッキング容量にほとんど違いは見出せません。
人数増への対応・快適性を求めるのであれば2人用を、あくまでもソロ山行にこだわるなら1人用といったところでしょう。
また、シェルター内の快適さは、天井の高さに左右されます。
各モデルの天井の高さは、
・クロスオーバードームf(95cm)
・クロスオーバードーム(105cm)
・クロスオーバードーム2(110cm)
この僅かな数差は、広さの体感として実に大きな差となります。
細かなディティールについて
続いて、細かいディティールを見てまいりましょう。
今回のモデルから背面のベンチレーションの位置は、フロア近辺に変更となります。
この変更によりパッキング時の空気の抜けがよくなり、また、フロア部の空気の滞留が改善されます。換気性能もアップされ、結露防止にも一役買っています。
ポールスリーブの片末端は袋状に閉じており、一方向からポールを差し込むだけでポールのセットが完了します。この機構に変更はありません。
一人でも素早く設営が可能なため、とても重宝する機構です。
生地の変更によるスペック向上について
今回の新モデルのもっとも特筆すべきポイントは、パネル生地素材の変更です。
ヘリテイジ社によると、今回の10dn高強度極薄新素材へ変更したことにより、
- 耐水圧は第1世代の約1.5倍
- 透湿性は第1世代の約1.9倍
- 通気性能
- 引き裂き強度UP
- さらなる軽量化
これらを達成とあります。
具体的にいうならば、
- 軽くなったのに丈夫になった
- 通気性が生まれ透湿性もUPしたことで、第1世代に比べ劇的に結露がしにくくなった
- パッキングのときに、空気を抜く大変さがなくなった
というところでしょう。
すでに第1世代のモデルをご使用の方は経験があると思いますが、クロスオーバードームはシェルター内で煮炊や朝晩の気温差などで発生する結露量が多く、シェルター内壁を伝う水分がフロアに広がってしまう不快さを受け入れながらの使用でした。
また、パッキングの際に空気抜きがうまく行えず、収納袋に入れることができず適当にザックに収納することも多く、
長期連泊での使用には心理的な抵抗が出る場合がありました。
新モデルでは、それらの第1世代の(敢えて言うならば)欠点をしっかりとリカバーしたモデルに仕上がっています。
今回のレビューではっきりと確認できたのは、その空気の抜けやすさ(通気性)によるパッキングのしやすさです。
本体の空気溜まりはスムーズに絞れて、ストレスなくスルスルとまとめることができました。
別売り・前室フライについて
今モデルの発売に合わせて、少しでも居住性を高めたい方向けの別売りオプションとして、クロスオーバードーム専用前室フライが発売されます。
シェルダー内に置きたくないような靴、ストックなど土汚れのつくものを置く場所として活用できます。
装着時の張り感は非常に良好で好印象。より快適に過ごしたい方は検討の価値ありです(第1世代モデルへの互換性もあります)。
クロスオーバードームシリーズは、このクラスのシェルターにおいて他に類を見ない唯一無比のポジションにありましたが、今回の第2世代の登場で、「さらなる軽さ」「耐久性」「快適性」を持つプレミアムなモデルへと進化しています。第1世代と第2世代は併売となりますが、第2世代のクロスオーバードームは、より快適で軽量さを求める方へのベストな選択肢となるでしょう。
第2世代の製品は順次入荷予定、カモシカスポーツ全店の店頭とカモシカオンラインショップで予約受付中です!
ヘリテイジ公式
▼クロスオーバードーム第2世代に関して
https://heritage.co.jp/Gears/about_COD_2G.html