2015年5月29日-6月8日アメリカ・ヨセミテ国立公園クライミングツアー
ヨセミテのクライミングの歴史がわかるDVD リールロック9 、トミー・コールドウェルらによるドーン・ウォールのフリー化、最新号のロクスノで特集を組まれていた女性ペアによるノーズのスピードアッセント、ツアー出発直前におきた有名クライマーのベースジャンプでの悲しい事故と、このところ何かと話題に上がるヨセミテに行って来ました。
クラックを主に練習している仲間達と何年かに一度のご褒美ツアーです。今回は、羽田空港ーロサンゼルス空港ーフレズノ空港、フレズノからはレンタカーでヨセミテに入りました。ヨセミテから車で10~20分の所にあるヨセミテビューロッジに宿泊し、そこから岩場へ通いました。日本と比べ長いルートが多く70mロープでは足りないところもあり、バックロープを引いてリード&フォローで登る技術が必要です。ロープを2本つないでのトップロープも登りごたえがありました。トポにハンドサイズとあっても登ってみると予想以上に広いのでいろんな意味で注意が必要です。アメリカ人のハンドサイズは相当大きいかと思います。(推定キャメロット3〜4番では?私のハンドはキャメロット0.75〜1番と平均より小さくないのですが)おかげで二の腕と手の甲と膝したが擦り傷だらけに。林の向こうから普通に女の子が1人で歩いてきて、フリーソロして岩の向こう側へ消え去る?など、文化の違いに驚かされる事もありましたが、全体的にフレンドリーに声をかけてくれるクライマーが多く、アプローチも近く、大変良い環境だと思います。英語力があればもっと深い交流が出来たのに少し残念です。ただ、クライマー同士何となく何を言っているか理解ができ、ちょっとした会話を交わすのもまた楽しかったです。
チャーチボウルは名前の通り教会のすぐ近くの岩場。エリアの一番右奥にある人気ルートのビショップテラス2Pはオススメです。ハンドとトポにありましたが、抜け口手前は自分だとフィストより広いサイズになり、キャメロット3番、4番が足りなくなり、まさかの嫌なサイズでのランナウトとという生きた心地のしない思いをしました。手の小さい方は3番と4番を残しておく事をお勧めします。
スワンスラブはクライミング講習会がよくひらかれているエリアでキャンプ4のすぐ隣にあります。ちびっこクライマーもいたりします。
サニーサイドベンチはヨセミテフォールズの右奥にあるエリア。
パットアンドジャックピナクルはチキンヘッド(鶏のとさか状のコブコブの事)が特徴的なエリア。
クッキークリフはヨセミテの小川山カサブランカ?人気のアウターリミッツのあるエリア。すぐ左にごく細クラックのクラックアゴーゴーがありますが難しすぎて私にはとても無理。
ミドルカシードラルロックはエルキャピタンの対面にあるスケールの大きいエリア。有名なセントラルピラーオブフレンジー5Pがあります。背後に見えるエルキャピタン、ちょうどノーズのあたりが良く見え、肉眼でルートのエルキャプタワー、テキサスフレーク、ブーツフレーク、グレートルーフを確認でき、双眼鏡があればどこかのルートを登っているクライマーの雄姿やポーターレッジやホールバックなどを見る事ができます。
マニュアパイルバットレスは超人気のマルチルート ナットクラッカー5Pのあるエリア。このルートはロイヤル・ロビンスがクリーンクライミングを最初に実践したルートだそうです。ビレイ点にボルトは無く、カム3つとスリング固定分散で作ったりします。さすがはクリーンクライミング、されど怖し!渋滞を避け、早起きして1番乗りで取り付きました。1P目のフィンガークラックの走るツルツルに磨かれたスラブからのスタートは朝一から心臓に悪かったです。
エルキャピタンベースはその名の通りエルキャピタンの麓のエリア。スケールが大きすぎて距離感が分からなくなり、読みが外れると降りてこれなくなるので注意が必要です。アメリカのハーネスに付いているバックロープを引っ張る為のループが頑丈な理由がわかった気がすると仲間の一人がつぶやいていました。
クライミングの間にレスト兼観光へ。ヨセミテの華厳の滝?ヨセミテフォールズと滝のすぐ右上にあるピナクルは綱渡りで有名なロストアロー、ロストアローはブラックダイアモンド製品などを日本に輸入しているお馴染みの会社の名前にもなっていますね。クライマーの集まる絵になるキャンプ場のキャンプ4とそこにある稲妻マークで有名なミッドナイトライトニングや渓谷の絶景ポイントのトンネルビューとグレイシャーポイントの観光、カリービレッジにあるマウンテンショップで各自クライミングギアを買い足したり、ジャイアントセコイアの大木やマセード川の流れに癒されたり、熊、鹿、リス、大きな松ぼっくり拾い…etc、週末になると各地からハーレーにまたがり、いかつい革ジャン&革パンでツーリングに来たり(見かけによらず自然が好きなのね!)、ハイキング、乗馬、サイクリング、クライミング、観光と、ヨセミテバレー内は大変賑やかでした。あっと言う間に楽しい時間は過ぎ、梅雨入りした日本へ帰国しました。
今回オススメのアイテム
パワーナビ BCAAパウダー 100g ¥2,191(本体)バリン、ロイシン、イソロイシン。これのおかげで筋肉痛や疲労感がマイルドだった様な気がします。粉が若干苦いのでローファットミルクに混ぜて飲んでいました。コーヒーに混ぜるのが一番飲みやすかったです。ちなみに粉はあまり溶けませんので、少しだけ頑張って飲みましょう。薬ではありませんが、良薬口に苦しです。
これを履いている仲間の一人が初のヨセミテでオンサイト祭!(補足・靴の性能だけでなく本人の努力の賜物です)トミー・コールドウェルが使っていますし、ヨセミテ内のマウンテンショップでも売っていました。クラックや長いルートでは間違いないでしょう。これを履いても私にはドーン・ウォールは無理ですがクラック好きとして一度は履いてみたい憧れの靴です。
おまけ
枻出版 ウィルダネス 2015 No.4
特集 巨大岸壁への挑戦。12days in yosemite
本体¥1000(本体)もヨセミテの紹介があり
役に立ちました!
おしまい。
花崗岩大好き高橋