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オススメ ITEM

親不知~北アルプス~中央アルプス 7日間で縦走 番外編

最後は痛み止めを飲みつつ、なんとか7日間で親不知から駒ケ根駅まで辿り着くことができました。
今回の山行で使用した装備や行動時間などを紹介したいと思います。

行動編
その1


その2

パーゴワークス ラッシュ28

ザックはパーゴワークスのRUSH28を使用しました。今回の荷物がちょうど収まる大きさでした。フィット感がよく、ベストタイプのザックなのでウエストベルトで腰周りが圧迫されることがなく、大きな段差を上るときでもストレスが少なく良かったです。胸ポケットに500mlのペットボトル2本がしっかり納まる点も良かったです。行動中はペットボトル2本とプティパスの水筒(容量2500ml)に1.5リットル以上入れて行動していました。ペットボトルの水が無くなり次第プラティパスの水筒から補給しました。ペットボトルだとハイドレーションと違い残量が一目でわかり、洗浄などのメンテナンスもいらないので長期山行でも使いやすかったです。

パタゴニア ダックビルキャップ

帽子はパタゴニアのダックビルキャップ。メッシュ素材でできているので暑い日でも涼しくて快適です。首の日焼け防止に安全ピンで取付けられる、サンシェードを自作して持って行きました。

スキンプロテクト プロテクトJ1

・小物 プロテクトJ 1。塗ることによって、保護膜ができて足を保護してくれます。出発前と行動途中の1日2回は必ず塗りました。そのおかげか足のトラブルはほぼありませんでした。ロードで足裏に小さな水ぶくれが4,5箇所できただけでした。足のトラブルに悩んでいる方は試す価値ありです。今回は30ml小瓶に入れて持っていきました。15mlくらい使用しました。

ウェア

・Tシャツ パタゴニアのショートスリーブ・ウィンドチェイサーシャツ。とにかく軽量で汗もすぐ乾きとても快適でした。
・防寒着 冬用のウールの下着上下、パタゴニアナノパフプルオーバー、薄手のダウンパンツ、ファイントラックアクティブスキン上下。就寝時にはだいたいすべて身につけてました。寝袋を持っていかない分、防寒着は多めに持っていきました。肌寒い時はアクティブスキン上下を着て行動していました。
・雨具 ヘリテイジのトリムジャケット。ウィンドストッパーを使用した2.5レイヤーのジャケット。拳大の大きさに収納できます。ちょっと寒い時にサッと羽織ることができて重宝しました。ズボンは特別軽量なモデルではなく3レイヤーの一般的なモデルの雨具を持って行きました。

スリーピングギア

・寝具 SOLのエスケープライトヴィヴィ。防寒着をすべて着込んだ状態であれば、槍ヶ岳での宿泊時も眠ることが出来ました。
・マット エバニューのEXPマットUL180をカットして使用しました。重量は約70g。このぐらいの重量だとザックに付けたときも、ほとんどその存在を感じない程です。無雪期で下地が平らであればこれで十分と感じました。

小物

・アームカバー 半袖のTシャツと組み合わせて使用すると、温度調節が簡単にでき便利でした。腕の日焼け防止としても活躍しました。
・サングラス 紫外線の影響は標高が高いと受けやすく、なるべく紫外線の影響を受けないようにした方が、疲労感も少なくなるらしいということを聞いたので、今回は積極的に使用しました。疲労感は確かに少なくなったと感じました。これからも積極的に使用していきたいと思います。

シューズ

・靴 モントレイルのフリューイッド。ほぼ新品状態でしたが今回の山行でソールの一部が剥がれ、ソールのほとんどが擦り減ってグリップ力無くなってしまったので、山行終了後処分しました。

食糧について

オリジナル山飯は「塩」「梅」「カレー」の三種類。

事前に準備した行動食のなかでも、今回特に重宝した食べ物はカモシカオリジナルの山飯です!
これは米を米油で揚げてあるもので(油酔いにもなりにくいです!)、そのままボリボリ食べれるので歩きながらでもOKです。
今回のような長い山行だと特にお米が食べたくなりました。
短時間のレースであればジェルだけでもよいですが、さすがに1週間をジェルだけで乗り切れる人はいないと思います。ジェルのように即吸収されるわけではありませんが、ゆっくり吸収される分腹持ちがいいように感じました。

小屋の売店で購入できる主食はほぼ菓子パンで、塩気のあるパンは私が見た限りではなかったと思います。
また、小屋で購入できる行動食も甘いものが多いため、塩気がある行動食でしかもお米なこれは本当にgoodでした。
持参した3袋を大事に大事に節約して食べましたが、次に同じような山行をするなら1日1袋計算で持っていきます。

また食事戦略を立てる上で重要なのは山小屋でいつ食事するのかということです。
小屋によってまちまちですが軽食(カレーや牛丼)が食べれる時間帯がだいたい11時~14時。売店は5時~18時くらいまでです。
小屋によって品揃えもかなり変わります!夕食を準備してもらうなら15時前の到着しておいた方がいいでしょう(事前予約をしていない限り、食事ができない可能性は常にあります)。
深夜1時から行動しても11時~14時の間に小屋がなければ軽食は食べれないのです!売店が開いてれば菓子パンやカップラーメンは食べれることが多かったです。
槍ヶ岳山荘に到着したときは、想定はしてましたがやはり売店は閉まっていて、食べ物を購入することはできなかったので、夕食には双六小屋で購入したチョコを食べただけでした。
小屋で食糧の調達を頼るというのも大変だなと感じました。

行動時間について

今回の山行の行動時間、睡眠時間はこんな感じでした。
「コ」=コースタイム  「行」=行動時間 「睡」=睡眠時間
1日目 親不知駅~朝日小屋 「コ」24時間25分 「行」14時間10分 「睡」10時間15分 「行」÷「コ」=0.58
2日目 ~冷池山荘 「コ」30時間40分 「行」18時間50分 「睡」9時間40分 「行」÷「コ」=0.61
3日目 ~船窪小屋 「コ」15時間20分 「行」11時間30分 「睡」9時間30分 「行」÷「コ」=0.75
4日目 ~槍ヶ岳山荘 「コ」24時間05分 「行」17時間40分 「睡」9時間40分 「行」÷「コ」=0.73
6日目 ~上高地帝国ホテル 「コ」20時間10分 「行」14時間30分 「睡」6:00(沢渡泊) 「行」÷「コ」=0.71
6~7日目(ロード区間)~木曽駒ケ岳登山口 約68km 行動時間16時間40分 14.7分/km
7日目 沢渡~すずらん荘 「コ」21時間 行動時間16時間50分 睡眠時間7時間30分 「行」÷「コ」=0.8

総行動時間 111時間20分 1日平均行動時間15.9時間
総睡眠時間 52時間35分  1日平均睡眠時間8.7時間
総行動時間÷総コースタイム=0.69
※行動時間には休憩時間も含みます。計測はしていませんが1日あたり1~3時間程休憩していたと思います。

今回のタイムを改めて見ての第一印象は、意外と早く進んでないという事でした。
コースタイムの7割ほどで、16時間動ける体力があればOKということになります。ちなみに山行中は登りも下りもほぼ早歩きで、走ったのはロードの区間で少しだけです。
山の中では小走りすらしませんでした。当初計画していた一日18時間行動6時間睡眠は一度も実行できませんでした。1日の行動の強度を下げれば実行できたかもしれません。

TJARの上位の選手は一日の睡眠時間が3~5時間程度でこれ以上のペースで進んでいますから、その凄さを思い知らされた山行となりました。
今回の山行ではこれ以上行動時間を増やすことも、睡眠時間を減らすことも私の実力では考えられなかったです。

最後に

今回の山行を計画するにあたって、トレランの経験も少なく、ろくにトレーニングもしていない私が唯一頼りにしたのは自らの登山経験です。
特に冬山(硫黄尾根~槍ヶ岳西稜登攀など)です。

夏山なら当然のようなことが冬山では当然ではなくなります。
例えば好きなときに休憩できる、テントの外で食事できる、小屋が営業している、他の登山客がいる、装備が濡れても命に別状はないなど…。
ないがしろにすると命にかかわるような気を使わなければいけないことが、夏山では冬山に比べて圧倒的に少ないのです。
冬山登山を一通りこなしている人であれば、夏山であればどんな状況でも、どんな場所でもビバークできる!という考えを持てると思います。
(※夏山が100%安全というわけではありません。)

この考えは今回のような山行ではかなりの強みであり、必要最低限身につけておいた方がいいと言えるかもしれません。
冬山を経験していると心に余裕が持てます。そして余裕があるということはそれだけ夏山を楽しむことができ、思いきった計画を立てることができます。
高山植物の美しさやテントの外で過ごせることの幸せさは、冬山を経験していることでより一層感じることができます。

今まで夏山だけで満足して方々もぜひ厳しくも美しい冬山に挑戦してみて下さい!
海外に行ってはじめてわかる日本の良さとがあるように、冬山に行ってはじめてわかる夏山の良さがあります!

本店 西出

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