巣ごもり生活と、小屋番生活は似ている?~本や映像で小屋番生活にふれる
外出自粛等、生活に制約が多く、屋内にいる時間が長い今春の生活。
かつて山小屋で働いていた、スタッフ武井。
・・はて私、今までにもこんな日々があったような…
これは、小屋番生活にちょっとだけ似ている気がするのです。
(何といっても、制約の原因が異なるし、
アプローチ時間ゼロですぐに登山道、
という環境の大きな違いはありますが・・)
小屋番生活では・・
休憩時間や休暇日には、小屋から出かけて良い範囲が規定され、下山はできない。
(※下山休暇は別に設けられていました。休暇の規定は小屋により、異なります)
悪天候の日が続けば、必然的に、ひとの往来は少なくなり、宿泊業務は減る。
外仕事もできず、小屋の中でできる仕事を探すしかない。
お金を払えばすぐ何か手に入る消費生活や娯楽生活からは離れている。
食料は、ヘリや歩荷でしか手に入らない。
水は貴重、電力やガスは限られた時間しか使えない。
―などなど、制約が多く、ある意味、閉ざされた特殊な環境。
でも、私はそれを「つらい」「苦しい」とは感じませんでした(感じ方に個人差ありですが)。
小屋番生活には、そんな中での集団生活が、安全に、快適に送れるよう
たくさんの知恵と工夫がつまっていたからです。
あるものでいかに楽しく過ごすか、毎日が創意工夫の繰り返しで、
精神的に豊かな日々が送れたなあと思うのです。
―さて前置きが長くなりましたが、
そんな、小屋番生活を描いた書籍や映像作品にふれるのはいかがでしょうか?
何か、今の生活へのヒントや気づきが得られるかもしれません。
余談ですが、雑誌『PEAKS』(エイ出版)には、『黒部の山賊』の60~70年後の現実を伝える貴重な連載があります。
若くして黒部源流部の山小屋の支配人となり、先鋭的な取り組みを続け、問題提起を続ける伊藤二朗さんによる連載『山と僕たちを巡る話』です。
興味のある方はぜひこちらもオススメです。
山小屋をとりまく状況も、例年と変わってしまった今年。
そんな今、山小屋に、小屋番生活に思いをはせてみませんか。
本店 武井