新作クロスオーバードーム(CROSSOVERDOME) 鹿島槍北壁正面ルンゼ 使用レポート
こんにちは。
横浜店の菅沼です。
今回は、商品の企画開発に携わっておりますヘリテイジの西村さんの次世代型超軽量シェルター「クロスオーバードームCROSSOVERDOME(2016)」使用レポートをお届け致します。四季を通じて山の経験の豊富な西村さんですが、今回は鹿島槍北壁正面ルンゼの登攀にて使用されております。
行きたい山や登りたいルートはそれこそ“山ほど”あり、今回行った鹿島北壁はその中でも長く憧れていた場所です。今回の山行はベースを張ってルートを登ったらまたベースへ戻ってくる行程で、装備をすべて担いで登るスタイルではないので通常のテントでもいいのですが、雨の心配もない冬季登攀なので積極的にクロスオーバードーム(以下COD)を選択しました。パッキングスペースが半分以下で軽いというのは最大のメリット。その上、居住空間はしっかり確保されている。パートナーとの2人分の寝袋や炊事具、パック、ブーツなどを入れても窮屈感は感じなかったです。入口が横なので出入りも楽です。
同じ日程で単独のクライマーが入山していましたが、そのクライマーは一般的なツエルトを張っていました。比較すればコンパクト性はツエルトの方が勝りますが、隙間風も入りませんので快適性と安心感、設営の簡単さはCODの方に軍配があがると思います。
また、2つのベンチレーターのおかげで結露はかなり軽減できます。夜は冷え込みで当然のように内側は霜がつきましたが、これはテントでも同じなので気になりません。
そして今回発売するモデルから色がオレンジからグリーンに変わりますが、渋めのグリーンはかなり落ち着き感を得ることができると感じました。
いいことづくめのようですが気を付けなければいけないこともあります。
やはり生地が薄く、一般的なテントと違ってポールも細く、シェルター自体の剛性が弱いので風が吹き付ける場所やブッシュや岩場などでは気を使います。でもこれは少し気を配るだけで解消できることですし、快適な幕営地を見つける目を養うと思えば楽しみに変わります。今回は天狗尾根上の天狗の鼻付近(2,300m)で少し斜面が緩やかになっていて風が当たらない場所を見つけて張りました。
もう一点は入口とベンチレーターを完全に閉めてしまうと酸欠の恐れがあるので気を付けたいところです、特に中で自炊するときなど(この点はどのテントを選択しても同じことが言えますね)。
季節や山行の計画にもよりますが、ライト&ファストを志向するクライマーにこのCODはかなり有益な“武器”になると改めて感じました。
今回クロスオーバードームをご予約を頂いた皆さんには、入荷の当日にご連絡(ご希望頂いている方へは発送)のお手続を行わせて頂きます。
4月下旬までどうぞお楽しみにお待ちください。